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イベントレポート 東京都オープンデータアイデアソンキャラバン2019 in 中野

2020年3月2日

東京都オープンデータアイデアソンキャラバン2019

in 中野区

日時:2019年9月21日(土) 10:00-17:00
会場:中野セントラルパークカンファレンス
開催協力:中野区・文京区・大田区

〔プログラム〕
 ●開会・イントロダクション
  ・オープンデータについて
  ・本日の進め方について
 ●グループディスカッション
  ・チームビルディング
  ・情報収集
  ・ディスカッション
  ・アイデアまとめ
 ●アイデア発表
 ●グループ成果発表・表彰
 ●総評・閉会

開催テーマ

◇開催テーマ  

『多様な魅力を持つ東京の観光を考えよう』

■サブテーマ(中野開催)
 参加者は、以下のサブテーマから一つを選択し、活動していきます。

①『観光客がまだ知らない「隠れた魅力」を発信するためには?』
 誰もが知るランドマーク以外にも、東京には隠れた魅力がたくさんあると思いませんか?ものづくり・下町・歴史・食文化等、地域の様々な特色を観光資源として、さらに多くの人々に知ってもらうためにはどうしたらいいかを考えてみましょう。

②『訪れる誰もが「安心・快適」に滞在できる街になるためには?』
 東京には、様々な人々が観光に訪れています。外国人・高齢者・障がい者等、誰にとっても安心・快適な街とはどのようなものでしょうか?
 また、自然災害等も多くある東京で、観光客を守るためには何が必要でしょうか?

イントロダクション
~オープンデータについて・本日の進め方について~

 本開催の全体進行を務める庄司昌彦氏から、オープンデータに関する説明と、本日のアイデアソンの進め方について、お話いただきました。

【ファシリテータ(全体進行)】 
武蔵大学社会学部教授 庄司昌彦 氏

まずは、複数のデータを組み合わせることを考えてみてください。
データは、掛け合わせることで初めてその真価を発揮します。

〇オープンデータは「開放資料」(公開されているだけでなく、自由な利用を認められているデータ)であるとして、東京都オープンデータカタログサイトや他自治体の活用事例の紹介を交えながら、統計データだけでなく文書や画像も含まれる点等を基礎知識として提供していただきました。

〇最後に、『オープンデータとして公開されることで、行政のホームページに掲載するだけでなく、多くの方が日ごろ利用するアプリ等に取り込むことが可能になり、より便利な民間サービスとして提供されます。また、様々なデータを組み合わせてAI等に分析させることで観光客やタクシー利用者、犯罪者等の行動予測を行うサービス等も生まれてきています。これも分析材料としてのデータがあるからこそ生まれるサービスです。』として、これから議論していくデータやICTを活用したアイデアのヒントをいただきました。

知識のインプット

続いて、参加者に対して、テーマに精通する有識者と開催協力自治体による知識のインプットが行われました。

【有識者】
首都大学東京都市環境学部観光科学科准教授 岡村祐 氏

社会環境の変化に伴い、地域産業の活性化に効果的な観光と
まちづくりを融合した「観光まちづくり」分野が生まれました。

〇岡村氏からは、専門分野の「観光まちづくり」の視点から、観光とまちづくりの違いについて、前者は短期的な収益等を第一目的とする傾向、後者は長期的視点に基づく計画とその実現に向けた取組であるとし、昨今の人口減少等の社会環境の変化に伴って、地方自治体は「観光まちづくり」という分野に注目してきたという点を、大田区のオープンシティの取り組み(町工場の一般公開イベント)等の事例紹介を交えてお話しいただきました。

〇また、今回の2つのサブテーマに対して、以下のような、それぞれの解釈に基づくアプローチをアドバイスいただきました。

〔サブテーマ1:観光客がまだ知らない「隠れた魅力」を発信するためには?〕
①観光資源を観光対象化する(隠れた観光資源をどう魅力的な観光対象として見せるか)
②都市の姿を可視化する(複数のデータの掛け合わせやAR/VR等のICTの活用)

〔サブテーマ2:訪れる誰もが「安心・快適」に滞在できる街になるためには?〕
 観光客が必要とする情報発信の方法として、デジタルデバイスだけでなく対面による情報収集が求められている。その一例として、観光案内所の取組等が参考になる。

 続いて、開催協力自治体職員から、それぞれの自治体が抱える観光施策の現状・課題・目指すべき観光の姿・現在の取り組みについて、情報提供されました。

【開催協力自治体】
 ・中野区情報システム課 ・中野区観光協会 ・文京区アカデミー推進課 ・大田区観光課

グループディスカッション
~チームビルディング・情報収集・ディスカッション・アイデアまとめ~

 以降、参加者は、各班に分かれて、オープンデータを活用したアイデアを生み出すため、「現状・課題」、「理想のイメージ」、そして、アイデアとなるデータやICTを駆使した「解決策」の検討作業に入っていきました。

①チームビルディング
②情報収集
③ディスカッション
④アイデアまとめ

アイデア発表①
サブテーマ1:観光客がまだ知らない「隠れた魅力」を発信するためには?

 サブテーマ1の各班、1日のグループ活動の成果として、完成させたアイデアの概要は、以下のとおりです。

  • 1班:「大田区を唯一無二の街へ」
    〇課題設定の考え方
     東京2020大会後の観光需要の不安定さを解決し、魅力的な観光資源を活用することで、より多くの外国人観光客に大田区を訪れてもらいたい。

    〇サービス概要
     AR・VR等を活用した旧東海道の当時の暮らしや風景を視聴できるアプリ。外国人観光客が興味を引く着物体験情報や銭湯情報等も掲載し、観光意欲を喚起し、羽田空港からの観光客の流入を促進する。

    〇活用したいデータ
     イベント情報、銭湯情報、観光スポット写真データ

  • 2班:「訪都外国人の満足度100%へ」
    〇課題設定の考え方
     訪都外国人の来日目的「食事」の満足度100%を目指す。

    〇サービス概要
     外国人向けに地元飲食店を紹介する多言語アプリ。利用者は、宗教や嗜好に応じた飲食店を検索できるとともに、訪れた飲食店の口コミ・評価を投稿することで、他の観光客等の参考情報とする。

    〇活用したいデータ
     飲食店情報、利用者の口コミ情報

  • 3班:「観光客が知らない“隠れた”魅力発信」
    〇課題設定の考え方
     区を推奨したい区民が少ない中、魅力的な観光資源を持つ中野区を自慢したくなる区民(大学生や小学生等)を増やすことで、魅力を外部に発信。

    〇サービス概要
     区民が主体となって企画するイベントの参加者募集アプリ。中野区の小学生や大学生が企画するイベント・お祭り等のイベントやオススメスポット等を掲載。

    〇活用したいデータ
     イベント情報、利用者登録情報(オススメ情報)

  • 4班:「文京区でリトルジャパンを体感!!」
    〇課題設定の考え方
     文京区は外国人観光客の行きたいスポット(桜・温泉・庭園等)全て揃うがその魅力が伝わっていない。スムーズな移動で「リトルジャパン」体験を提供。

    〇サービス概要
     シェアサイクルと連動した観光ルート案内アプリ(自転車本体のQRコード読込でアプリを取得)。

    〇活用したいデータ
     イベント情報、観光スポット情報、公共施設情報、
    シェアサイクルデータ

  • 5班:区民も訪日外国人もHappy×Happy!
    〇課題設定の考え方
     全国屈指の民泊利用者数を誇る大田区の区民が主体となり外国人観光客に対して、必要な情報を発信できる環境をつくり、観光客も区民も喜ぶ観光地を目指したい。

    〇サービス概要
     多言語チャット形式アプリ。コンシェルジュ登録した区民から、地元の観光情報を知りたい外国人観光客に対して、オススメや宿泊時の困りごと等に回答。

    〇活用したいデータ
     イベント情報、宿泊施設情報

  • 6班:君は中野のサブカルを知っているか?
    〇課題設定の考え方
     外国人観光客等からサブカルの地として認知度が低い中野区の現状打開のために、効果的な情報発信により、中野のサブカル・観光を盛り上げたい。

    〇サービス概要
     中野のサブカルをPRする多言語プラットフォーム。関連イベント情報や中野のオタク伝道師による記事を掲載。区民へのインナープロモーションとしても活用。

    〇活用したいデータ
     イベント情報、利用者登録情報(地域に根ずくサブカル文化の解説等)

参加者投票の結果、サブテーマ1の最優秀アイデアは・・・
4班の「文京区でリトルジャパンを体感!!」が選ばれました。

アイデア発表②
サブテーマ2:訪れる誰もが「安心・快適」に滞在できる街になるためには?

 サブテーマ2の各班が、1日のグループ活動の成果として完成させたアイデアの概要は、以下のとおりです。

  • 7班:「外国人に優しい飲食店が並ぶまち中野」
    〇課題設定の考え方
     中野の飲食店が中心となりアライアンスを組織し、広く外国人にも開かれた飲食店と、マナーを守り利用する外国人観光客の双方の増加を目指す。

    〇サービス概要
     中野の飲食店で組織するアライアンス運営のポータルサイト。飲食店の検索やマナーブックの閲覧等が可能。利用者の口コミ登録により店舗側の理解向上も。

    〇活用したいデータ
     店舗情報

  • 8班:「観光客も住民も心地よいまち中野」
    〇課題設定の考え方
     「オーバーツーリズム」を未然に防ぎ、観光客も住民もストレスなく楽しみ、生活できるまちを目指す。

    〇サービス概要
     施設等のインフラ、人口やイベント情報等をもとに「受入人数」を算出し、AI分析による「混雑情報」としてSNSやホームページ等で公開。

    〇活用したいデータ
     昼夜間人口、駅乗降者数、イベント情報、宿泊施設情報、交通混雑情報

  • 9班:「サブカルバレー~聖地“NAKANO”~」

    〇課題設定の考え方
     サブカルの地として認知度が低い中野。効果的なアピールにより、強力な観光対象として活用したい。

    〇サービス概要
     多言語ポータルサイト「サブカルバレー」。コスプレ衣装に着替えられるスペースや、衣装レンタルできる店舗、撮影スポット等の情報を集約的に公開。最新の動向をチェックするため利用者登録情報をAI分析。

    〇活用したいデータ 
     イベント情報、公共施設情報、利用者登録情報

  • 10班:「外国人観光客に何度も来たいと思ってもらえる思い出の地に中野がなる」
    〇課題設定の考え方
     外国人の受入態勢が整っていない店舗情報が共有し、観光客に気持ちよく中野を楽しんでもらう。

    〇サービス概要
     自治体が運営するSNS上で、店舗情報(メニュー・外国人観光客の受入可否等)や利用者評価が閲覧でき、これにより店舗側と利用者側のマッチングを図る。

    〇活用したいデータ
     飲食店情報、利用者の口コミ情報

  • 11班:「観光地であなたを助けるオープンデータ」

    〇課題設定の考え方
     観光と防災を組み合わせ、観光客の安心安全な観光に必要な情報を入手できる環境を提供したい。

    〇サービス概要
     観光マップとハザードマップを組み合わせた3次元の多目的歩道マップアプリ。平常時は観光スポット等を検索する観光マップ、非常時はハザードマップや道路の規制情報等をAI分析することで、周辺状況を可視化し、観光客の自主的な避難を支援。

    〇活用したいデータ
     道路台帳(標高データ)、文化財一覧、道路規制情報、ハザードマップ

  • 12班:「高齢者や障害の有無によらない外国人観光客に優しいまち“中野”」
    〇課題設定の考え方
     来日を諦めていた外国人観光客や地域住民(高齢者・障害者)に向けバリアフリー情報を発信。

    〇サービス概要
     多言語対応のバリアフリーマップアプリ。利用者の車いすの車幅や条件(長時間の歩行が困難等)等を入力することで、その人に最適なルートを提案

    〇活用したいデータ
     ウォーキングマップ、公共・民間施設バリアフリー情報

参加者投票の結果、サブテーマ2の最優秀アイデアは・・・
11班の「観光地であなたを助けるオープンデータ」が選ばれました。

グループ成果発表・表彰

 サブテーマごとに分かれていた参加者が改めて合流し、アイデアソンの締めくくりとして、各テーマ代表(得票1位)によるアイデアの発表が行われました。その後、それぞれのテーマの得票1位と2位の班の表彰を行いました。

総評

 今回のイベントのまとめとして、全体進行を務めた庄司氏からの総評です。

オープンデータの議論としてあるべき一つの姿を、
今日皆さんと一緒に体験できて、本当に良かったです。

 集中的に色々な資料を見たり、多くの方と意見を交わしたことで、新たな発見や気付きも多かったのではないでしょうか。今回、年齢・性別問わず、多くの方にご参加いただきましたが、特に学生や若い方の活躍が目立っていたことを非常に頼もしく思いました。また、区役所の皆さんが各班のテーブルに入り、情報提供してくださった姿も非常に良かったです。こうして自分達のまちのことを考え、皆でデータや資料を見ながら話し合う機会がもっと作れると良いなと改めて思いました。今日は観光がテーマでしたが、皆さんも今日1日の活動を通じて、旅と同じように、新しい場所や地域の特色を知ることが楽しみになることを実感できたのではないでしょうか。

 最後に、このイベントは、オープンデータが大きな題材ですが、その活用は後から付いてくるものです。まず最初に、「こういう社会を作りたい」「こういうことを実現したい」という思いがあり、それを達成するための手段を補完するためにデータを活用すると非常に効果的です。オープンデータの議論としてのあるべき一つの姿を、今日1日の中で皆さんと一緒に体験できたことが本当に良かったです。本日は本当にお疲れさまでした。

ー 閉会 ―

 最後に、参加者全員による記念撮影で閉会です。
 この度は、ご参加いただき誠にありがとうございました。お疲れさまでした。