平成29年(2017年)3月25日(土)、東京臨海広域防災公園(そなエリア東京)レクチャールームにて「東京都オープンデータ防災アプリコンテスト」を開催いたしました。
こちらでは、コンテストの受賞作品を紹介します(敬称略)。
※ 紹介する作品に対して東京都が公認等を行うものではありません。
来場者の皆様の投票により賞を決定しました。
受賞作品:ゆれくるコール(アールシーソリューション株式会社)
◇ 作品の紹介(応募者から提出された文章)
ゆれくるコールは気象庁が発表する「緊急地震速報(予報)」をもとに、各地の揺れの推定到達時間と推定震度を通知するアプリです。 アプリ内では防災に役立つコンテンツ「+ソナエ」を展開しており、地震や火災、津波などの災害発生後の対応や、災害発生前にどのように備えるかをイラスト入りで分かりやすく解説しています。 今回+ソナエのコンテンツの中から、東京都のオープンデータを見ることができるようにしました。「外出先で被災したら」から避難所一覧を、「在宅避難の判断基準(自宅の安全確認)」から地域危険度一覧を確認することができます。 ゆれくるコールの4割近くが東京都にいるため、今回の取り組みは有用であると言えます。 |
◇ 利用している東京都のオープンデータ
データ提供元 | 利用データ(カタログサイト内データセットへリンクしています) |
東京都都市整備局 | 避難場所等の一覧「震災時火災における避難場所及び避難道路等の指定(平成25年度改定)」 |
東京都都市整備局 | 地震に関する地域危険度測定調査(第7回)地域危険度一覧(平成25年9月公表) |
◇ 来場者の皆様からのコメント
災害時における機能面やユニバーサルデザインの観点からも多くの利用者が活用しやすいものとなっており優れていると思います。 |
避難所一覧がみられる機能が追加されていてさらに便利になったと感じました。 |
防災アプリの事業化、リアルタイムでの情報提供を実現できているのが特徴だと思います。 |
以下からは審査員による審査での受賞です。
受賞作品:ゆれくるコール(アールシーソリューション株式会社)
◇ 審査員からのコメント
かなり多くの方にすでに使って頂いている上で、今回新たにオープンデータを使った機能を追加しており更に価値を向上させているところが評価ポイントでした。 今後はビッグデータ解析や一部データを公開頂き社会に貢献して頂くなど、データを使った新しい取り組みに期待しています。 |
受賞作品:ハザードチェッカー(兵庫県立大学大学院 応用情報科学研究科 有馬研究室)
◇ 作品の紹介(応募者から提出された文章)
「ハザードチェッカー」は、ハザードマップに関する防災Webアプリで、これを使うことで現在地または住所検索によって得られる地点の、ハザードマップから見た災害リスクやリアルタイムの気象庁防災情報等を知ることができます。WebアプリなのでスマートフォンでもPCでもブラウザからサイトにアクセスすることで使用できます。 対応する災害の種類に、従来の水害・土砂災害に、新たに地震による延焼拡大危険性を追加。その根拠データには密集市街地のデータを使用しました。地震火災の際には、迅速な非難が求められることから東京都のオープンデータ「避難場所」、「地区内残留地域」を使用し、想定される首都直下型地震などによる火災発生に備えることができます。 |
◇ 利用している東京都のオープンデータ
データ提供元 | 利用データ(カタログサイト内データセットへリンクしています) |
東京都都市整備局 | 避難場所等の一覧「震災時火災における避難場所及び避難道路等の指定(平成25年度改定)」 |
東京都都市整備局 | 避難場所 |
◇ その他利用しているオープンデータ
その他の利用データについては、応募者のサイトで公表されています。
◇ 審査員のコメント
その場所がどんなリスクを持っているかしっかり認識していると備える災害が変わってきます。それが分かって行動することがもっとできるようになってくると、より適切な対処ができるという事を学ばせて頂きました。 もっといろいろな情報が加わって素晴らしいアプリになっていく事を期待しております。 |
受賞作品:Sherepo(シェレポ)2 避難所状況可視化アプリ~Shelter Report~コール(株式会社FIXER)
◇ 作品の紹介(応募者から提出された文章)
災害時の避難所の状況を把握するためのアプリです。 食べ物はあるのか?衛生状態は大丈夫か?避難所はどこで、どうなっているのか?災害発生当日から2週間程度の、避難所の状況管理が混乱している時に、脆弱な通信網の元でも確実に、臨時の避難所も含んだ状況を把握することを目的としています。Sherepoを通じて、避難所支援を的確に行うことを目指しています。 主な機能としては、(1)避難所からの報告機能、(2)報告の表示機能の二つです。 (1)については、スマートフォンから避難所の場所・状況・コメントを登録することができます。 (2)については、災害本部が避難所毎の状況をレーダーチャートで確認することができます。 全て、デジタルで対応することにより、状況の集計作業を削減し、意思決定の迅速化に寄与するシステムとなっています。 |
◇ 利用している東京都のオープンデータ
データ提供元 | 利用データ(カタログサイト内データセットへリンクしています) |
東京都都市整備局 | 避難場所 |
◇ 審査員のコメント
Sherepo2が一押しだったのですが、その観点は「これがないと東京に震災が来た時に困る」というものでした。 さらに開発を進めていただき、世の中にあって当たり前というふうに持って行ってほしいと思います。 |
受賞作品:My 防災ノート(佐野大河)
◇ 作品の紹介(応募者から提出された文章)
My防災ノートは、ユーザーの生活圏に合わせた情報を提示する防災学習アプリです。 スマートフォンに蓄積された位置情報履歴からユーザーの生活圏を自動で割り出し、各地域における災害・防災情報を提示します。 |
◇ 利用している東京都のオープンデータ
データ提供元 | 利用データ(カタログサイト内データセットへリンクしています) |
東京都都市整備局 | 避難場所 |
◇ その他利用しているオープンデータ
データ提供元 | 利用データ |
国土交通省 | 国土数値情報(避難施設・土砂災害・洪水浸水) |
◇ 審査員のコメント
それぞれ自分に合った情報のみが出てくる、普段の日常の行動に合せた情報が出てくるというのが新しい視点だなというところで評価が高かったです。 これからまだまだ肉付けしていくところはあると思いますが、若い方たちの自由な発想で新しいことをやっていくという姿勢に関しても評価が高かったです。 |
受賞作品:マイ広報紙東京都版(一般社団法人オープン・コーポレイツ・ジャパン 藤井博之)
◇ 作品の紹介(応募者から提出された文章)
マイ広報紙東京都版は、都の広報紙「広報東京都」のオープンデータを活用し、Webとスマホで配信する電子版広報紙で、平成28年9月より、東京都広報課の協力を得て実証運用しています。 スマホアプリは都民ユーザに対してダイレクトに情報発信できることから、災害等緊急時に、プッシュ通知機能を使って、災害の状況や避難所の誘導等の情報発信が効果的にできます。また、発信する情報はインターネットがあればどこからでも投稿できるため、都の職員が避難所の状況を現場から投稿したり、市民からの災害現場等の投稿により、効果的な情報収集することが可能となります。 日頃から利用される広報紙アプリを拡張利用することで、高齢者含め広く都民に防災アプリを浸透させる有効な手段になり得ると考えています。 |
◇ 利用している東京都のオープンデータ
データ提供元 | 利用データ(カタログサイト内データセットへリンクしています) |
東京都生活文化局 | 広報東京都 |
◇ 審査員のコメント
キーワードはデュアルユースというところが一つあります。平時に使っている物が災害時に役立つという考え方が大切になると思っています。 平時の使い方についても作りこみがなされていて、災害時は今後東京都もデータの出し甲斐があり、いかようにも使っていただけると思っています。 ほかのアプリとの連携も踏まえ今後に無限の可能性があると思ってます。ぜひ平時のユーザーを増やしていただきたいです。 |
以上、受賞作品の紹介です。
受賞者の皆様、おめでとうございました。