第8回
東京都オープンデータ・ラウンドテーブル
議事録

東京都オープンデータ・ラウンドテーブル 議事録

令和6年8月9日(金)14:00-15:30
第一本庁舎25階107会議室 オンライン開催
司会(大迫データ利活用担当課長):

時間となりましたので、「第8回東京都オープンデータ・ラウンドテーブル」を開催いたします。
本日の司会進行を務めますデジタルサービス局データ利活用担当課長の大迫です。どうぞよろしくお願いいたします。

本日の次第でございます。
始めに「東京都のオープンデータの取組状況」について説明いたします。
続いて、「提案者からのプレゼンテーション」では、オープンデータへのご提案を3者様から頂きます。最後に、オープンデータ利活用促進に向けてのディスカッションを行う予定です。
なお、事業者様のご提案資料及び全体の議事は、後日、東京都オープンデータ・カタログサイトに掲載予定でございます。

本日の参加者をご紹介いたします。
ご提案者として、
・愛知県一宮市職員 シビックテッカー 齋藤 仁志(さいとう ひとし)様です。
・続いて矢印株式会社 代表取締役 馬上 朋広(うまがみ ともひろ)様、同じく矢印株式会社のBusiness Intelligence Artist 木代 翔也(きしろ しょうや)様です。
・続いて一橋大学大学院 ソーシャル・データサイエンス研究科 特任講師 山辺 真幸(やまべ まさき)様です。
以上4名の方にご出席いただいております。
オブザーバーとして、デジタル庁 デジタル社会共通機能グループ 東 修作(ひがし しゅうさく)様。続いて、一般財団法人GovTech東京テクノロジー本部 データ利活用グループ長 川口 英利(かわぐち ひでとし)様にご出席いただいております。

また、東京都からは、デジタルサービス局データ利活用担当部長の池田(いけだ)、そしてデジタルサービス局戦略部デジタル改革担当課長の佐塚(さつか)、そして私、大迫が出席してございます。どうぞよろしくお願いいたします。
その他、都各局職員及び区市町村職員の方々にもオンラインで御参加いただいております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

発表者の方はご発言の際に、事務局からご案内いたします。現地参加のみなさまにおいては発言の際カメラのみオンとしてください。事務局のマイクを使います。オンラインの方に置かれましては、発言の際以外はマイクをミュートとしていただき、画面操作を行わないようお願いいたします。また区市町村職員の皆様におかれましてはご質問がございましたら原則Teamsのチャット機能よりご投稿をお願いいたします。

ご案内が長くなりましたが、開催に先立ちまして、デジタルサービス局 データ利活用担当部長の池田より開会のご挨拶を申し上げます。
池田部長、よろしくお願いいたします。

池田部長:

皆さんこんにちは。本日はオープンデータ・ラウンドテーブルにご出席いただきましてありがとうございます。

私どもは都のデータや区市町村のデータのオープンデータ化して、官民の様々な方々に使っていただくという取組を行っております。優先順位をつけてニーズの高いところから手をつけるべきだというふうに考えておりまして、実際にデータを使われている民間企業の方、学習経験者の方、それから行政職員を対象に、こういった実際の生の声を聴く場としてラウンドテーブルを設けている次第でございます。

本日はラウンドテーブル8回目になっております。
これまで駅のエレベーターの点検情報や、都が指定している史跡のデータ、浸水予想図など、幅広い分野のオープンデータニーズを把握して、一個一個所管部署と調整をしてオープンデータ化に取り組んできたところでございます。
本日は様々なデータのリクエストであったり、もともとのデータ形式の課題であったりと、様々なところについて、忌憚のないご意見いただければというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

本日いただいたご意見を元にデータ公開の部分については、引き続き各局と調整をしたいと思っております。先ほど馬上さんにもオープンデータというのを都庁の職員自身もちゃんと使うべきだとおっしゃっていただいて、それはその通りだというふうに思っておりまして、我々もいろんなデータの可視化分析とかにも取り組んでいるのですが、そこを、引き続き頑張っていきたいと考えております。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。

司会(大迫データ利活用担当課長):

続きまして、オープンデータの取組状況につきまして、私からご説明いたします。
東京都では、区市町村などの行政機関や、様々な関係者と連携してオール東京で、オープンデータの取組を進めています。
2021年2月に初めての「東京都オープンデータ・ラウンドテーブル」を開催し、民間事業者はじめデータ利活用される皆さまからオープンデータへのご提案をいただき、我々行政職員とディスカッションしながら、新たなオープンデータの公開や改善を実現してまいりました。

また、昨年度にはオープンデータを利用される方々と、日常的且つ活発にコミュニケーションを行う場として、「東京都オープンデータコミュニティ」をSlackで立上げました。
これらオープンデータのニーズを把握し、優先順位をつけてデータ公開を進めておりまして、「東京都オープンデータ・カタログサイト」では現在約63,000件の東京都および区市町村のデータを掲載しております。あわせてAPI形式による公開も行っております。
そして、これらのオープンデータを活用して新たなサービスを生み出していく取組が「都知事杯オープンデータ・ハッカソン」となっております。
このように各事業の成果を連鎖させ、循環させていくことで、オール東京でのオープンデータの取組をさらに促進していきたいと考えております。

具体的にいくつかの事業をご紹介させていただきます。
まずは本日の「東京都オープンデータ・ラウンドテーブル」についてです。
民間事業者の方や学術研究機関の方から、オープンデータの課題や幅広いニーズを聴取し、意見交換を行い、その後関係部署と調整のうえ、オープンデータ化につなげています。
先ほどの挨拶の中にもありましたが、今回、第8回目の開催となります。

続いて、「東京都オープンデータコミュニティ」についてです。
オープンデータ利用者同士のコミュニケーションや、利用者と都の繋がりを活性化させることを目的として、昨年5月に立ち上げました。どなたでも無料で参加ができ、現在会員数は400名を越えました。会社員、公務員、学生など、多くの方にご参加いただいております。
会員同士の情報共有や意見交換、又はサービス開発メンバーの募集といった「交流」。自らが行ったサービス開発など、オープンデータの利活用事例の「発信」。有識者による講演等の「イベント」。オープンデータ利活用に関する問い合わせや、データ要望などを行える「質問・提案」を行えます。

最後に、「都知事杯オープンデータ・ハッカソン」についてです。
東京都では、都や区市町村のオープンデータを活用し、行政課題の解決に向けたデジタルサービスの開発を競うイベント「都知事杯オープンデータ・ハッカソン」を行っております。今年で4回目となりまして、ちょうど先週、8月に開幕したところです。応募者数も年々増加しておりまして、今年度は925名の方にご応募いただいております。今年度はどういった提案が出てくるか楽しみにしているところです。
昨年度は、オープンデータを使った9件のサービスが実際にリリースされたところです。
昨年のハッカソンでは、「行政からの支援が必要なときに、必要な支援にアクセスするためのシミュレーター」や、「産後うつなど育児中の孤立をLINE上の対話でケアし、地域でのサポートに手軽につながるサービス」、「海外からの旅行者や在住者など、外国人向けに安心して公衆トイレを利用してもらうための検索アプリ」などがリリースされました。
都民に役立つサービスを様々提案いただき、都が開発支援を行いながら、各チームによる社会実装まで行っていただいています。

こうした様々な取組を通じ、オープンデータの公開を一層進め、都政のQOSを継続的に向上させていきたいと思います。
東京都の取組状況の報告は以上です。

続いて、次第としては提案者の皆様からのプレゼンテーションになりますが、いつもこのラウンドテーブル、プレゼンテーションに入る前にアイスブレイクを、毎回デジタル庁様にお願いをしております。

また、ここまで事務局から堅苦しい説明が続きましたけれども、東京都ではオープン&フラットという取組を進めておりまして、部署や役職を問わず意見交換、いろいろ発言していいよですとか、役職をさん付けしようということで、宮坂副知事を「宮坂さん」と呼んだりと、そういう取組もしておりますので、ここから皆様をさん付けでお呼びしていきたいと思います。よろしくお願いできればと思います。
それでは、デジタル庁の東さんから、1分程度でアイスブレイクということで、最近のデジタル庁の状況ですとか、またデータ関連についてお伺いできればと思います。
それでは東さんお願いいたします。

デジタル庁・東様:

デジタル庁でオープンデータ担当しております。東と申します。よろしくお願いいたします。
1分ということで、簡単に最近のトピックをご紹介させてください。
つい先日、7月5日付でオープンデータ基本指針、すなわち自治体、行政機関全般の皆様にオープンデータに取り組んでいただく際の基本指針について改正いたしました。その内容はデジタル庁のオープンデータというページがございますので、よろしければご覧ください。

改正のポイントとしては大きく二つです。
オープンデータの機械可読性とか検索性を上げるというところを強化しましょうということをつけさせていただいたということと、あと利用規約について、従来政府標準利用規約と呼んでいたものを「公共データ利用規約」と改名し、政府だけではなく自治体の方々にもお使いいただけますというような体裁に整えております。以上、短くはございますが、最近のトピックということでご紹介させていただきました。

司会(大迫データ利活用担当課長):

ありがとうございました。
すみません。1分でと申し上げてしまって。
随時発言いただければと思いますので、いろいろご意見頂戴します。
それでは次第の3、提案者からのプレゼンテーションに進んで参ります。

それでは最初に愛知県一宮市役所職員のシビックテッカー齋藤さん、オンラインでご参加いただいております。よろしくお願いいたします。

齋藤様:

はい、お願いします。画面共有させていただきます。
ではさっそく、私からプレゼンをさせていただきたいと思います。

改めて自己紹介をさせていただきます。齋藤 仁志と申します。
普段は愛知県一宮市役所に勤務しながら、プライベートでシビックテックの活動をしております。2015年ごろからアプリ開発を始めておりまして、コロナ禍をきっかけにCode for Japanさんといった団体にも参加させていただいております。よろしくお願いします。
本日は本業の方ではなくて、あくまでプライベートでの登壇という形になりますので、予めご承知おきいただければと思います。

私の方からお話させていただくトピックなんですけれども、三つご紹介させていただきます。
まずは普段の私のシビックテックの取組、二番目にオープンデータの使い方、可能性の方を述べさせていただきまして、最後は東京都さんに公開していただきたいデータをお話させていただければと思っております。では、まず、普段のシビックテックの取組の方からご説明させていただきます。
メインはオープンデータを用いたアプリ開発、それからデータ可視化をメインとして活動しております。まあ、地域課題の解決だとか、問題提起の方をさせていただいて。最終的にはSDGsの方を解決していこうというふうなアプローチで取り組んでおります。

具体的に説明させていただきます。まずアプリ開発なんですけれども、私がシビックテックの活動を一番最初にスタートさせた時に、防災アプリの方を開発しようと思いまして、こちらの方は作ったアプリなんですけど、「防災INSIGHT」というアプリの方を公開しております。
今現在、2017年6月から公開しているんですけれども、使用したオープンデータとしましては、消防庁さんとか国土地理院さんとか、気象庁さんとかですね、あらゆるオープンデータを組み込みさせていただいて運用している形になっております。

アプリ開発を2つ目なんですけれども、今年はですね、教育分野の参入をしていこうということで、教育アプリの開発に力を入れておりまして、ちょうど今年の3月公開したのが、まあ「デジタル地球儀」と呼ばれるアプリですね。まあ、左の方の画像をご覧いただきますと、地球儀をデジタル空間上に持ってきまして、国旗の情報とかですね。地理の情報が様 々 学べるようなアプリになっております。
最近公開したのが左下の「世界情勢マップ」ですね。世界中でいろいろ紛争とか争いが起きているところなんですけれども、外務省のオープンデータを見つけまして、今世界でいろんなことが起きているのかという、最新情報を取得することができるアプリになっています。

3つ目は和算、数学の関係のアプリを作ろうかなと思いまして、国だけではなくて、民間とかいろんな公共データの方を使ってアプリ開催を進めている形になっています。

データ可視化の方なんですけれども、「DPNote」と言われるサービスの本を公開していまして、こちらは災害データの可視化ですね。熱海市の土砂災害とか熊本地震とかですね。九州の豪雨などを3Dで公開しています。

次に「暑さ指数可視化マップ」と呼ばれるものなんですけれども、私としては今、非常に夏が暑いと思うんですけど、この夏の暑さは災害の一つだという風に考えてまして。
環境省さんの方でまあ、暑さ指数っていうのをオープンデータ化しておりまして、それをこうマップ上に落とし込んで、今どのぐらい危険度が高まっているのかっていうところを可視化させている形になっています。

3つ目は、気象庁のアメダスの情報を取り込んでですね、ゲリラ豪雨とか、昨今では日本で全体的に発生していると思うんですけれども、そういった緊急情報を取得できるような、そういう可視化に取り組んでいる形になっております。これまでの私のシビックテックの実績ですね。
年表は左の方ご覧いただければと思っております。
まあ最近の方ですと。昨年6月、朝日新聞さんに取り上げていただきまして、私のシビックテックの活動の方、全般的に記事の方にしていただいております。今年の1月なんですけど、 CBC テレビさんの方が取材の方を受けまして、普段のシビックテックの活動の方、メディアで報道していただいております。今現在ですね、朝日新聞さん、 CBCテレビさんともにウェブニュースで無料でご覧いただくことできますのでもしご興味ある方は、見ていただければなと思います。
よろしくお願いします。

今までは僕の活動の方、述べさせていただいたんですけど、ここからはですね。
私の普段のオープンデータの使い方可能性について述べさせていただきます。

まず、SDGsへのアプローチですね。
「防災INSHIGT」って防災分野で公開して、SNSでいろんな方々と交流させていただいてるんですけれども、防災の関係でハサードマップってあると思います。
マップ上に落とし込んで、洪水とか土砂災害の危険区域を見たりすることなんですけど、視覚に障害がある方々っていうのは、そもそもマップを見ることができないですよね。でもやっぱりハーサードマップの情報を知りたいということで、「何か良い方法はないでしょうか?」という相談を受けたことがありまして、文字情報で配信したらどうかなということで探していたところ、国土交通省さんのオープンデータ、オープンソースを見つけましてですね。文字情報で配信すると。 GPS の方で機能させて、まあ最大浸水域とかですね。
そうすることによって、例えばiPhoneのVoiceOver(音声翻訳ソフト)と併用することで、知覚に障害がある方々につきましても、ハサードマップの情報を知ることができると。つまりオープンデータ・オープンソースから。SDGsにもアプローチできますよね。というこれが一つの可能性かなというふうに思っております。

別に何もオープンデータの使い方っていうのはアプリだけではなくて、こちらは図解にしてみたって話なんですけど、 SNS の方ではビジネス関係とかですね、図解にして分かりやすく情報発信するって流行っているところで、何か私もシビックテックの活用でできることないかなということで調べていたんですけど、皆さんもまあ天気予報とかよくご覧いただくと思うんですけど、例えば明日未明にかけて雨が降るでしょうとかですね、夜の初め頃とか、いろんな日本語があると思うんですけど、具体的にどの時間帯を指すのかなというところが興味があって。
そしたら気象庁さんの方のオープンデータ見つけたんで、こういう図解にしてみたという形ですね。
こういうやり方もありますよねっていう話です。
ここからは可能性の方の述べさせていただきます。

1つ目は爆発力ですね。
私の方で、「日本全国ダムマップ」の方を公開したことがあるんですけど、ツイッター、Xの方で投稿させていただいたところ、インプレッションという数値があるんですけど、一つの投稿についてどれだけのユーザーの方々に閲覧いただいたかという数値なんですが、普段の私の投稿ですと、特に僕はインフルエンサーとかそういうのではないので大体2000から3000ぐらいが平均なんですけど、このダムの情報だけは非常に伸びましてですね、9万インプレッション。最近情報見たところ、10万インプレッションを超えてましてですね。
1ツイートだけでこれだけの拡散力を得ることができたと。
これも一つのオープンデータの可能性があるかなというふうに思っています。

今まで利用者側の立場に立ってお話させていただいたんですけど、公開する側の視点に立ってご説明させていただきます。皆さん、ブラックジャックによろしくっていう漫画ご存知ですかね?
ドラマ化もされた後ろに人気漫画なんですけれども、漫画史上初のオープンデータなんですね。
多分こういうタッチの漫画、どなたかご覧いただいたことあるんじゃないかなと思うんですけど、例えば東京都内の駅構内とかですね、ポスターとか見ていただきますと、こんなタッチの絵を見たことある人多いんじゃないかなと思ってます。
漫画をオープンデータで公開する。いや、それじゃ漫画売れないじゃんということで、それどうなの?っていう風にびっくりする方多いんじゃないかなと思うんですけど、事実は逆で。知名度アップにつながってですね、電子書籍の売り上げは飛躍的に伸ばすことに成功したと、億単位のお金が動いている形になります。詳しくは佐藤先生の方のノートにですね。ロイヤリティの数値の方、載っておりましたのでご覧いただければと思ってます。
僕がここで言いたいことは、公開する側も工夫次第で、本当に無限の可能性ありますよねということを述べさせていただきます。

オープンデータをめぐる現状の課題ですね。
一つは公開する側でPDF が多いなっていうとこはどうしても引っかかるところです。
エンジニアとしてはデータを組み込む場合にPDFとか、機械判読が非常にやりづらいというところがあるので、なるべくCSVとか理想的なのは LOD とかJsonファイルで公開するのが組み込みやすいかなと思うので、ここが一つ課題としてあるかなと。
もう一つはその情報発信する側ですね。メディアの方々に良さっていうのがなかなかうまく伝わっていないんじゃないかなというところがあります。テレビとか見る時に、なかなかオープンデータっていう話題をご覧いただいたことないんじゃないかなと思います。僕とかだと普段をオープンデータをよく使っているんで、オープンデータだけでも一番組作れるんじゃないかなというふうに思っているところではあるんですけど、例えば東京都さんの方ですと、コロナ禍で東京都が新型コロナウイルス対策サイトをオープンソースで公開したっていうところが非常に話題になってですね。
東京都をさきがけにして47都道府県全てのサイトが誕生したという形になると思うんですけど、やっぱりこう、良さをどんどん伝えていくっていうことが大切なんじゃないかなっていうふうに思っています。
以上をもちまして、これからですね東京都さんに公開してほしいオープンデータの方を述べさせていただきたいと思います。

1つ目はですね、今子育てアプリ開発してまして、完全に個人的な話なんですけど、今年の5月にですね、娘が生まれて父親になりまして。今現在育休中ではあるんですけど、せっかくなら育児関係。まあ、日本も少子高齢化という課題があって子育てアプリを開発していきたいなというところで、今、東京都さんの中でですねお子さんの成長とか、発達過程の情報を見つけましたので、ぜひこういったところオープンデータに公開していただけますとありがたいなというふうに思っております。

続きまして、教育アプリを絶賛開発中なんですけど、右の方ご覧いただいてですね、数学に関するオープンデータで公開してるんですけど、東京都さんの公立高校入試問題とかあると思うんですけど、それをこうオープンデータ化するのはどうかなと。
まあ、なかなか自治体の方でこういう高校入試問題をオープンデータ化している自治体はないんですけど、まあこういったところをオープンデータで公開することによって、アプリ開発者だけではなくて出版社の方々もですね、情報公開請求とか手続き簡略化されて利用される方が多いんじゃないかなと思っているので、ぜひご検討いただければなと思っております。

あとは観光データの方ですね。
こちら国の方で「FIND 47」という日本の都道府県の写真データをオープンデータで公開しているんですけど、やっぱり観光立国を目指すというところで日本のいいところをピックアップしていこうと。オープンデータの中で、写真のオープンデータっていうのが注目されているところもありましてですね、まだ東京都さんの方のカタログサイトで、例えばスカイツリーとかですね。観光地のオープンデータ、写真のオープンデータってないんじゃないかなと思うので、こちらの方もご検討いただけると幸いです。
最後になるんですけど、実は以前、東京都の副知事さんの方でですね、避難場所・避難所のオープンデータでちょっとこういう項目追加したらどうですか、ということで実はツイッター(X)で依頼させていただいたことがありまして、現在確認したところ、カタログサイトの方ですね。私の意見反映していただいて、修正されているというところで、ちょっとこの場をお借りして、その時はお世話になりました、ありがとうございましたという形で述べさせていただきます。
では以上で私のプレゼンは終了させていただきます。
ご清聴いただきましてどうもありがとうございました。

司会(大迫データ利活用担当課長):

齋藤さんありがとうございました。齋藤さんからは、普段のシビックテックの取組、オープンデータの使い方そして可能性、また最後に東京都に公開してほしいデータということで、ご提案をいただきました。
質疑応答に入るところですけれども、せっかくなので私からも質問をしていきたいです。
齋藤さん、市の職員であられるということで、防災アプリがきっかけでシビックテックの取組をされているとありましたが、何かその防災アプリに取り組むまでのきっかけというのはありましたか。東京都職員として聞いてみたいなと思ったので私からご質問させていただければと思います。

齋藤様:

私は公務員として、市の職員に入社したのは2011年4月なんですね。
2011年、何があったかっていうと、ちょうど僕が社会人になる一ヶ月前に東日本大震災があったんです。僕は愛知県にいたんですけど、愛知県の方も長周期地震動と言って、すごいゆっくりとした横揺れの方を感じておりまして、「あ、日本でこんな災害が起きるんだ」っていう思いがあったんですね。
ちょうど僕が社会人になる前にそういう災害を経験したので、社会人になってから防災の関係で自分にできることを探していきなさいというふうに言われてるのかなというところで、何かやりたいなっていう風に思ってたんですね。
入社して本業の方で情報システム部門で六年ぐらい進めさせていただいてたんですけど、その時にちょうどオープンデータの担当になるきっかけがありまして、せっかくならオープンデータの使い方なんかそういうのを勉強したいなっていうところで。それでせっかくなんで防災アプリを作ってみようという形になるので、まあきっかけは本当東日本大震災です。

司会(大迫データ利活用担当課長):

ありがとうございました。
そうしましたら各局職員に区保市町村の皆さん、そしてご出席の皆さん、ご質問事項やご意見がございましたらお願いします。
オンラインの皆様はチャットでご質問をいただければと思います。
でそれは木代さんお願いいたします。

矢印株式会社・木代様:

非常に感銘を受けましたありがとうございます。アプリを開発する際、どういったプラットフォームを使っていらっしゃるかっていうのをお伺いしてもよろしいでしょうか?

齋藤様:

ウェブアプリをメインに開発してまして、基本的には JavaScript、エンジニアの部門で言うと、フロントエンジニアに僕該当してくるので、JavaScript をメインに使っています。
でエディターはカーソルっていうエディターがあってですね。
今これ注目のエディターでマイクロソフトの方でVSコードっていうエディターがあるんですけど、オープンソースで公開されてるんですね。そのオープンソースとチャット GPT を組み合わせて誕生したのがカーソルっていうエディターで、チャットGPTに聞きながらアプリ開発ができると。
それで公開している形になっているので、でえっと、あとGitHubページズっていう、ホスティングサービスで無料で利用できるところがあるので、そういったところを使って開発しています。
なので、まるっきりゼロからソースコードを書いて作ってる形です。

矢印株式会社・木代様:

ありがとうございます。

司会(大迫データ利活用担当課長):

ほかにご質問ですとかご意見ございますか。
区市町村の皆さん、チャットでも結構ですしご提案者の皆さんもしあれば。

司会(大迫データ利活用担当課長):

では、山辺さんお願いします。

一橋大学・山辺様:

山辺でございます。
齋藤さんどうもありがとうございます。かなりたくさんのアプリ開発されているように見受けられましたけれども、どれぐらいの頻度と言いますか、着想からリリースまでどういう期間でやられているんですか。

齋藤様:

早いと 1 週間ぐらいできちゃうんですけど、作り込むと2,3ヶ月ぐらいかかりますから。

一橋大学・山辺様:

やっぱりオープンデータが扱いやすいものになっているかどうかっていう、前処理的なところも速度感に影響があったりするんじゃないかって思うんですけど、そのあたりどうでしょうか。

齋藤様:

そうですね。加工しやすいデータですとその作業工程を省くことができるので、本当はそれでデータ取得して作りたいっていうところはあるんですけど、まあなかなかそういったところがなかったりとか項目が足りてないというところですと、僕の方で独自に突合かけて、データを合わせて公開していかないといけないっていうところがあるので、データ量が大きいほど、やっぱりどうしても時間がかかるっていうところはあるかなと思います。

一橋大学・山辺様:

ありがとうございます。

司会(大迫データ利活用担当課長):

私も別の機会で聞いたことがありますが、オープンデータを使う時に前処理が一番大変で時間がかかると、そんな話が最後時間があれば伺えればと思います。
もしよければデジタルサービス局の佐塚さん、ご意見いかがでしょうか。

デジタルサービス局・佐塚課長:

プレゼンの中で、東京都の観光地の写真をオープンデータにすると良いという、お話しをいただきました。齋藤様のご所属されております一宮市のオープンデータカタログサイトを拝見したところ、写真データを公開されているということで、市の職員が市の広報紙に掲載した写真などをオープンデータ化しているという案内があって、すごいなと感銘を受けたところでございます。こちらの写真のオープンデータ化というのは、実は齋藤様が提案して、導入されたということなのでしょうか?

齋藤様:

こちらの方はですね、広報部門で全然ちょっと僕がいた部局とは違うところで、まあ公開しているところになってるので、僕が本業でオープンデータ担当していた時に、どんどんオープンデータを公開してくださいっていうことで、積極的に働きかけはしていたところではあったんですけど、特に僕がなんかやってっていう話ではないです。違う部署の方々が公開しています。

デジタルサービス局・佐塚課長:

写真のオープンデータについて、出す時に気を付けた方がいいようなポイント。市の職員としての実務者視点から気をつけたほうが良いポイントですとか、あるいは利用者により使っていただくために気をつけたいとほうが良いポイント、あれば教えていただけますでしょうか?

齋藤様:

公開する場合に、風景を取るっていうところが大事なんですけど、人の情報が入っちゃうと、まあやっぱりこうオープンデータの定義としては、個人情報含まれないことっていうのは大前提になっているので、そこを誤って実は人がちょっと写っちゃってという形になると、個人情報漏洩とかトラブルになるので、まあそこについて気をつけていただく形になるかなと。あとはできれば解像度の方、いろんなサイズで加工したいっていう風にエンジニアは思っていると思うので、まあ、複数の大きさのサイズの写真データを公開してもらうと、使う側としても非常に使いやすいんじゃないかなという風に思います。

デジタルサービス局・佐塚課長:

ありがとうございます。こういった写真のデータを、アプリのバックグラウンド背景に活用をするということをプレゼンしていただいたと思うのですが、具体的な活用の場について教えていただけますでしょうか?

齋藤様:

今現在、実は私の方で観光アプリを実は作ってまして。
日本のいいところ、良さですね。観光二国を目指すっていう国の方針もあります。やっぱり日本のいいところを PR していくっていうところでは、僕は今言ったアプリのバックグラウンドっていうのは結構サブ的なやり方ではあるんですけど、メインとしてちょっと作りたいなというふうに思っています。

デジタルサービス局・佐塚課長:

わかりました。ありがとうございます。

司会(大迫データ利活用担当課長):

それでは一旦ここで質疑を終了とさせていただきます。
ご提案いただいたデータの取り扱いについて、教育庁さんから話を伺っておりますので、そちらをご回答させていただければと思います。
「東京都教育委員会のホームページにアップロードしております就学前教育カリキュラム改定版における0歳児から2歳児までの発達過程のCSV ファイル等のオープンデータ化の検討をさせていただきます。」
開発される子育てアプリに組み込んでいただければと思います。一宮市職員さんと重々承知上げてるとこですが、ぜひぜひ都民にも資するサービスにしていただけると嬉しいです。
それから併せて提案いただいた都立高校の入試問題につきましては、著作物のオープンデータ化として、掲載にあたって使用許諾を得る必要があるですとか、やはり課題はあると感じております。所管に改めてお願いをしますけれども、長い目で見ていただければなと思っております。
それ以外にご要望いただいた観光関係の画像、実は東京都オープンデータ・カタログサイトにスカイツリーや歴史的資料の画像など、写真が掲載されております。後ほど事務局よりこういうものあるよということを斎藤さんに連絡させていただきます。以上、齋藤さんありがとうございました。

齋藤様:

はい、ありがとうございました。

司会(大迫データ利活用担当課長):

続きまして、矢印株式会社の馬上さん、木代さんよろしくお願いいたします

矢印株式会社・馬上様:

皆さんこんにちは矢印株式会社の馬上でございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

これからお話しすることは、オープンデータで金儲けをしている話です。
実際にどうやったら金儲けができるっていうお話の一端をお話しできたらと思います。
そして後半の方は同席している木代さんの方から、実際のサービスのデモンストレーションお見せしたいと思います。
それで10分を使いたいというふうに思いますでは、進めさせていただきます。

弊社のご案内です。見ていただければ分かると思います。
私たちの会社は顧問業です。大手企業の役員向けの顧問業を主にやっています。
その傍ら、情報分析の講師、大手の研修会社さんとタイアップして、私の方からご提供をしていたり、最近で言えば公開を正しくはチャットGPT 等々の営業系もしくはマーケティング系の人たちが使うためにはどうしたらいいのかみたいなことを含めてやっていたりします。

そして私のバックグラウンド35年はすべて営業系です。
ですから、金儲けというふうにお話申し上げています。今日ご紹介する可視化のダッシュボードですね。この辺のこともお話ししていきたいと思います。
1990年、社会に出てきました。商社マンの出身です。
そこから今 30 数年経って矢印という会社を立ち上げたということになります。
会社の売上割合をご覧ください。約 3 割がダッシュボードです。それ以外の 25 が新規。

あとは PMO、これはITプロジェクトですね。
そして講師、ええ、ここまでで約 85%。何らかの形で全部これオープンデータが引っ掛かってきてます。こういうようなビジネスをやっている会社だというふうに認識ください。
ライセンスです。小さな会社でございますが、経産省のライセンス、中小企業庁のライセンス、内閣サイバーセキュリティのライセンス、あとは気象ビジネス、とても私は気持ちがここに入っているんですが、お天気をどうビジネスに使うかというところで、数年前からコンソーシアムのメンバーとして働いています。

サービスの一環をご紹介します。左側にあるのがこれからご紹介するのが「DATA Farming」というと経営者、特に中小規模事業者の経営者。彼らは残念ながら簿記の知識がありませんが、そういう中で事業継承なり売り上げを上げろと、人がいない中様々な苦難に立ち向かっています。
それにもかかわらず金融機関からの融資はほとんどない。大変かわいそうだっていうことですね。
行政の手で助けていただきたいという人たち、たくさんいらっしゃいます。
こういった人たち向けに、私たちは自社の財務の健康状態を可視化するサービスを立ち上げています。
これが「DATA Farming」。これをやっていくと、実は会計士や税理士も使うようになってきました。
最近には金融機関の融資担当者及びM&A業者が使うようになってきたというような流れがございます。

そして右側は、全く違うサービスもやっています。
産業・プラント。例えばこれは火力・水力・河川あとは大規模なモーター。様々な産業プラント系がございますが、この産業プラント系のデータの可視化というのも現在立ち上げています。
非常にこれは今発奮してる状況ですね。
それから真ん中、これは「行政情報の見える化ダッシュボード」ということで、数年前から、日本経営協会様を経由してご依頼があって。日本全国の自治体様にいろいろアドバイスをしていたり、もしくは私のご意見を申し上げていたり、なんていう活動をですね、もう 3、4 年ぐらい前からお話を申し上げている取組もしています。

終わったプロジェクト二つご紹介します。
JMDCと日本気象協会を組んでぜんそくのアプリ。「Health Weatherプロジェクト」ということですが、喘息アプリの走りです。
ええ JMDC っていうのは、私たちの健康データをデータベース化している日本で3番目の大きな会社ですね。我々の健康データ全部取られている。
健康データを使って日本気象協会と組んで喘息をおもちのお子さま用のアプリを作ってですね。
例えば気圧が低くなるから3日後の三連休はこうなっちゃうからちょっと薬多めに持っていこうとか早めに帰って来ようなんていうふうにわかるようにということでやり始めた事業です。

右側はですね、私、住まいが湘南なんです。湘南ってご存知の通り、昨日ね、地震があって大変でしたが、沿岸部が大変多くありながら自治体が細分化されているんです。
隣の市に行けば鎌倉もありますし、小田原もありますね。そんなところで何か起きたら、私たち住人は行政区割りで、動けるわけじゃないんですよね。
そういう意味を込めて、ラインワークスというラインの、企業版のツールがあるんですが、ラインワークというビジネスコミュニケーションツールを使って、市議会議員の方々と NPO の方々を通じてええバーチャルなネットークを作るというようなことを活動しています。

いずれもですね、この二つは、お金がなくなって、立ち消えてます。これが現状です。
今日は七年求めていくと、当然ながら先行きがないと思います。
こんなようなビジネスになっております。

公開してほしいデータということで、今回のラウンドテーブルに参加する前に聞かれましたので、我々の方からご提供もお願い申し上げた次第でした。
しかし現在、お断りをされています。お持ちじゃないのかなと、詳しいことは後ほどいただきたいと思っていますが、要するに私たちはですね、ここにあるように、日銀短観とか中小企業庁のオープンデータを使って、企業の経営者もしくは融資担当者、M&A事業者、こういった方々に対して提供しています。
非常に優秀なデータがたくさんあります、使い切れないぐらい。
しかし、地域性がない。地域性を得られれば、つまり、都の事業者さんのデータがもしあるならば、そういったものからもっと詳細なサポートができていると思ってですねお願い申し上げた次第だったんですが、残念ながらないということなので、ええ、終わりたいと思います。

今日はですね。上にあるような「DATA Farming」のデモをさせていただきます。
あともう一つ、左下にあるのはですね。衛星事業者と今ジョイントしてます。衛星事業者は今上から写真を撮って、それを時間単位にその差異を見てるわけですね。
その差異というのを単純な数字のテーブルで表して納品されてるんです。大変もったいないですね、ということで、私たちだったらこういう風にするよということで、デモンストレーション用のサイトを立ち上げています。こういったものも今日時間があればご紹介していきたいというふうに思います。

そして右側のこの財務三票の部分については、この「DATA Farming」やスペースシフトさんとのこの衛星関係の事業をやる前にですね、立ち上げたところです。
非常に恥ずかしい絵になっていますが、これも無料で見れるようになっています。
いずれもオープンデータすべて使っています。ということでご紹介しておきたいと思います。
後ほどご紹介します。我々のサービスモデルです。
Exclusiveデータ、産業系データ、ラボ系、経済系データ。
こういったものを置き換えながら、オープンデータを掛け合わせています。
一つ重要なのは、お客さんの内部にあるインターナルデータ、暗黙知のデータが山のようにあります。三つを掛け合わすことによって、やっとインサイトが得られる。
つまり儲けられるヒントがあるのです。ここまでしなきゃいけないんですね。
そのようなことを我々は一生懸命小さな会社ですが、取り組んでいます。
最後です。

これまでのオープンデータ系のお話を聞いていくと、モニタリング型ダッシュボード、つまり1データ1表示に限定しているお話を大変強く感じます。
本来ならば複数のデータを1表示、1グラフ の中にたくさんのデータをオーバーレイさせることによって、今まで気づかなかったことに気づくっていうのがたくさんあるんですね。
これをぜひですね、極めていきたいというふうに私たちは思ってます。

右側にあるのはBIツールを使うとこんな良さがあるよねということを申し上げています。
釈迦に説法だと思いますのでここは触れないでおきます。
最後です。
このようなことをね、リクエストしたいということを書いてあるんで、後ほどこれはご覧ください。
デモに入りたいと思います。それでは木代さんお願いします。

矢印株式会社・木代様:

今日はDATA Farmingという実際にオープンデータを使用したレポートを紹介したいと思っております。
企業の財務会計データを見える化しているレポートでございます。
実際にオープンデータを使っていただくベースでございます。
中小企業庁の中小企業実態基礎調査というデータを使っておりまして、自分のデータを出して業種ごと自分ごとで絞りこんで、自分の業種とマッチしているものに関して比較できるものになっております。
ここへ一部入れる部分があるのですけれども、オープンデータのよくある部分だと思っているのですが、ROEに関しては業種の情報と従業員規模は持っているのですが、ここの資産科目のほうだと、業種はあっても従業員規模が載っていない、というのがあります。
実際今回もこのような感じで無い部分があったりします。
今後そう言った統一感は考えていただきたいなと思っております。
これで終わりにいたします。

司会(大迫データ利活用担当課長):

馬上さん、木代さん、ありがとうございます。
そうしましたら質疑に入る前に、私から公開してほしいデータの状況について説明差し上げたほうがよろしいかなと思いますので、今確認していることをお伝えいたします。
中小企業庁が公開している中小企業基礎データの中身を東京都版として、公開をしてほしい、と今回頂いていると認識しております。
この調査については国でやっているというところもあって、東京都の方では同じ調査はしていないということで、そもそものデータそのものが存在しないです。東京都では別の中小企業関連の指標(景況指数表)については、取得しているので、そういったものは備わっています。
所管局には、国で調査をやっているそのデータについては調査をしていないと伺っておりますが、引き続き魅力あるデータの掲載に努めてまいります。

それでは質疑応答へと入らせていただきます。
各局職員、また区市町村のみなさま含めまして、ご出席のみなさま、質問事項やご意見ありましたらお願いいたします。

一橋大学・山辺様:

オープンデータとさまざまなデータの組み合わせがインサイトにつながると、ここ非常に重要です。オープンデータ単体ではなくどう内部データと組み合わせるか、という視点で私もすごく面白い取り組みやデータを持っている会社さまだなと感じました。
私どもも大学と企業の協働研究で内部データを深堀りしていくというところなのですけれども、オープンデータも活用していることで視点が充実していく。是非オープンデータのいろいろなニーズをおっしゃって頂いている中で、こうした視点でのニーズを挙げてほしいと。

司会(大迫データ利活用担当課長):

ありがとうございます。
データのニーズに関してはもっとこうした場、ラウンドテーブルの場でも、みなさまから是非お伺いしたいと思っておりますし、最初にご紹介したコミュニティでもいろいろと意見をもらおうと思っているところです。
またカタログサイトの中にもリクエストボックスというものがありまして、実はそこでも受け付けております。

もしよろしければ、デジタル庁の東さん、ご意見頂戴できますか?

デジタル庁・東様:

はい、ありがとうございます。
大変興味深いお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

オープンデータは社会課題の解決のために住民とともに考える材料としてお使いいただくのも重要ですけれども、ビジネスで使えるということはそれなり質なり量なりがある程度できているということなので、持続的にお使いいただけるレベルのものになっていくということは非常に素晴らしいことかなと思っております。
そういう意味では、ビジネスでオープンデータを使っていただくというのは大変ありがたいと思いました。ありがとうございます。

その中でデータを出している方はなかなか気づかないところがあるということを改めて感じました。先ほどのデモの最後のところで、この項目がなく空欄で比較ができないという事例がございました。やはりデータは印刷するためのレイアウト、人が見るためのレイアウトで目的に合わせて作ってしまったデータだと、どうしても取捨選択した結果になってしまうので、素晴らしいデータなのですけれども少し違う目的で利用しようとするとここが抜けているというような先ほどのようなケースがどうしても出てきてしまう、というところは改めて感じました。
そのあたり、できれば生データに近いもの、ただ何でもかんでもというわけにはいかないので、個々の業務の目的で作成した結果として出す、というところはありつつ、利活用の面からは項目の抜けが無いような形、できるだけ支障のないところは項目として欠落させずに出していただくというのは必要なのだなとことを改めて感じました。
ありがとうございます。

最後のリクエストのところ、東京都様へのリクエストかもしれませんが、なるほどという話が多くございましたので、簡単にコメントさせていただきます。

ターゲットユーザーの明確化:
オープンデータは利用目的を選ばずに出せるものを出すということも大事なのですけれども、やはり限られた資源の中で作業が発生する場合は実際に使われるところを優先的にやっていくというのも一つのやり方と思いますので、そういったものを考えるうえでも、このデータのターゲットユーザーを意識してやっていくことが必要と改めて思いました。

データの質と量のバランス:
データはそろえるだけではなく、どうやったら生かせるか、といった視点は重要。アイデアソンやハッカソンでデータをもとにいろいろ議論をしても、行き詰ってしまうことがある。データありきではなく、課題を元にソリューションを検討し、そのために必要なデータを考えるのが大事。

データフォーマットの一貫性:
私どももデータフォーマットの定義をしておりますが、闇雲に変更することがないように意識してまいりたいと思います。

以上です。

司会(大迫データ利活用担当課長):

東さん、ありがとうございました。

馬上さん、木代さん、ご登壇大変ありがとうございます。
発表のお時間がなかった、資料の最後のページに関してもしっかりと受け止めさせていただいております。

それでは続きまして、一橋大学大学院 特任講師 山辺さん。よろしくお願いします。

一橋大学・山辺様:

それでは私の方から3点についてご提案ということで、お話をさせていただきます。
まずは自己紹介ですけれども、一橋大学大学院 ソーシャル・データサイエンス研究科、一橋大学では新しい組織でございまして、昨今データサイエンス学部の新設を多くの大学が行っていますけれども、一橋大学ではソーシャルがついているのが特色でもありまして、データサイエンスの知見をいかに社会に実装していくかということで、かなりいろいろな分野の教員が集まっているところです。

私自身は特任講師ということで研究者という立場ではあるのですけれども、実は研究の道に進んだのはそんなにキャリアは長くありません。社会に出てからは大半の時間をデザイナーとして仕事しておりまして、とくにユーザーインターフェースのデザインをずっと仕事としていたんですけれども、一念発起でデータ可視化に関係する研究ということで、社会人として大学院進学いたしました。過去、いろいろ仕事させていただいておりまして、実は東京都現代美術館ですとか、ワンダーサイトといった東京都に関するサイトのデザインをやらせていただいたことがございます。
私の方からはこのデータが欲しいというような要望より、デザイン視点で見て、カタログサイトをどういう風にしたら良いかという話をできればと思っております。

大規模データ可視化に関してどんな仕事、研究をしているのかというのをいくつかご紹介させていただきます。
新型コロナウィルスの遺伝子、ゲノムのビッグデータというのがございまして、皆さんご存知のように、何々株・何々株というたくさん進化していくわけですね。その一つ一つのウィルスのゲノムを見ていくと、実はその同じ株の中にもいろんな種類がある。それらを解析するといわゆる進化の系統図が書けるというのがわかっておりまして、さらに新型コロナウィルスの場合はいつどこで感染しているのかというのがデータとしてあるんですけれども、時空間情報を持っているわけですね。それを三次元に可視化するという開発をさせていただきました。
開発には、医学や生命科学の先生方や、特にNHKと協力させていただきまして、様々な形でこのデータの可視化を使って報道番組での解説CGですとか、子供向けワークショップ実施しました。例えばデータにフィルタリングをかけることで、日本に入ったウイルスがどういうところから由来しているのかというのを見ることも可能です。そのように映像だったり、セミナーだったり、あるいは積極的に触っていただいて、体験して、理解できるというような取り組みをしておりまして、そうした活動からグッドデザイン賞等の表彰をいただきました。自分のサイトの方にいろいろ動画なども載せておりますので、ご興味ある方はご覧ください。

その他、最近、線状降水帯がニュースで話題になりますが、こういう非常に生活に危険があるレベルの大雨について、どういうふうに出来てくるのかまだまだメカニズムはわかっていないところがありまして、そういったメカニズム解明のためにスーパーコンピュータによる大規模シミュレーションをしている研究者の方々もおられます。そういったデータが非常に膨大で、研究者の方も全体像を3次元化したり、それを時系列でみるというようなことが十分に出来ておらず、そういったところを高精細なCGで可視化しています。またこれも一般の方にも見ていただけるような形で気象現象のメカニズムの理解に繋がるわけです。

あるいはSDGsに関連することでマイクロプラスチックについて、海に漂流すると生態系に影響あるということはご存知かと思いますが、いったいどのくらいの期間でどのくらいまで漂流するのかをシミュレーションするモデルを開発されている研究者の方と協力し、その実情を見ていただけるようなコンテンツを開発しております。

このように私が主にやっていることというのは、学術的な大規模データというのは研究した後、論文にするときにはかなり小さい図になってしまうのですね。
研究者同士がそれを見て判断する上では特にこういう小さい図でも問題はないのですけれども、一般の方が最先端の研究に触れるためにはCGなどを駆使して、より深く想像ができるようなビジュアライズを如何に作っていくのかということが重要で、そこを研究しております。
同じデータを上下で見比べると、これだけ差がある、こういったことの研究をしております。
ちなみにオープンデータに関して言うと、こういった様々な取り組みを、例えばコロナの感染リスクはオープンデータを使っており、Twitterでのソーシャルグラフを作るときもSNSのデータを利用したりしています。

それから実際見るだけではなく、市民の方に可視化を作ってもらうというような取り組みもやっています。CCBTという東京都の施設がございますけれども、10月に開催される生態系をデータとして見てみよう、作品作りを市民の方にやっていただくというワークショップがあります。こちらの方でも講師を務めさせていただいております。

行政機関が出しているオープンデータに関する取組をいくつかご紹介させていただきます。先ほど齋藤様も可視化されていました熱中症対策のWGBT暑さ指数を可視化するサイトatsusa.jpを開発しました。もう一つは、ワクチンを全国で接種を進めていた時期にワクチン接種状況を可視化するサイトなどを作っております。
これが暑さ指数を示すatsusa.jpなのですけれども、よく暑さ指数というのは地図上にたくさんプロットされるケースが多いと思うのですが、それよりも「今ここ」がどうなのかというのをすぐ知りたい。例えば子供がサッカーを習っているような状況では、「今日ここがどうなってくのか」という意味では、地図で見るよりも今いるところについて情報を知りたい。その場所の状況がどんどん変わっていき、今危険です、今厳重警戒という風に、シンプルに今いる場所の状況と予報をスマホで見られる、というような可視化のサイトを作りました。これは環境省さんの熱中症暑さ指数予測情報のcsvを利用して作っています。見ているページのQRコードをページ下部に載せていまして、その場にいる人に共有できるようにということも考えています。

ワクチンプログレスバー、こちらのサイトはもう運用していないのですけれども、当時首相官邸のホームページで毎日ワクチン接種人数が表記されていました。Yahoo!さんとか、いろいろなサイトで一日毎に接種人数のグラフを更新していました。私もその表現もやったのですけれども、結構毎日進捗が違ったり、これはその「プログレスバー」みたいだと。進捗のパーセントがじわじわとあがるものに似ているなと思いまして。パーセントをパソコンのプログレスバーに似た表示にしたらどうかということになりまして。齋藤さんの話にありましたが、これもSNSではすごい話題になりまして、TECHニュースで取り上げていただいたりと、一時期かなり多くの人に閲覧していただいたということがありました。
何が言いたいかというと、見せ方ひとつで人の関心度が変わってくるなというところがあると実感いたしました。

ここからオープンデータカタログサイトに対する私のご提案をさせていただきます。まずは、データの可視化について、もう一度要点を押さえておきたいと思います。
可視化という言葉自体は広く皆様もご存知だと思います。可視化の用途というのは大きく分けて二つあるといわれています。
一つに探索的可視化と言いまして、膨大なデータ・複雑なデータをフィルタリングかけたり、ズームイン・ズームアウトなど、いろいろ操作しながら仮設を組み立てていくような視覚分析のための可視化。
もう一つ、説明的可視化は、データからわかったことをそれをたくさんの人に広めたいというところから、天気図やインフォグラフィックというような手法も含まれる。
最近、これらの用途には重なる部分があり、例えば説明的可視化が決まったことだけを100%伝えるためだけではなく、見る人にとってはそれを操作して、何か自分で深堀りしていきながら理解を進めていく。説明的なのですけれども、見る人に操作も委ねていくと言うような両方の性質を持つものがあり得ます。というものが最近WEBメディアを中心に改めて注目を集めているところです。
こうした可視化の研究の動向も流れとして出てきておりまして、VRCの報告ですと「可視化情報の最終評価者である人間の本質的理解」、つまり見る人というものをもっと多様にとらえていきましょう。これまでの研究というのはデータを分析するというのは、分析者、専門家であったのですけれども、より広いユーザーを捉えていこうと言うことですね。こういった流れが大きくある。
下線部で書かせていただきましたけれど、市民も含む多様な用途を想定する方向に可視化というフィールドが大きく広がりつつあるので、そこを十分に捉えるということが命題であると感じています。

カタログサイトの利活用事例についてなのですけれども、利活用事例のサイトはこのような感じで非常に一つ一つの事例は本当に素晴らしくてしっかり作っておられますし、利便性もあると見受けられる。一方でサイトの見せ方については、一覧性が低く、このようにリストでタイトルしか出ていないので、どういうものなのかが見えないのが惜しいポイントだと思いました。分類する・サムネイルを載せるなどの工夫が必要かと感じます。載っているものがアプリケーションを募集されていると言うことなので、一定の傾向があるのかと思いますが、ここで挙げられているものは作るのが難しそうだなという印象が見受けられました。トレードオフの部分があると思いますが、やはり利便性や機能性、多くの人が便利に使うとなりますと、どうしても作品が似てきてしまう傾向がある。バス停や交通、安全、安心、防災という観点になりますと、課題そのものが共通しておりますので、できるアプリも似通ってしまうというところがある。かつ、日々使うものとなってしまうと品質の保証など、そういった部分でもかなりレベルが高くなってしまうと思っています。
ここに関しては、一つのキーワードとして私は可視化というものが有効に使えるのではないかと感じます。こちらは参考ですが、BIツールの一つとしてTableauを使っていろいろなオープンデータをシェア・紹介するサイト「今日のViz」があります。個々のユーザーがTableauというソフトを使ってオープンデータを可視化して、表現したものをどんどん公開している。アプリケーションとしての機能は無いかもしれませんが、こういったサイトをつくることでアプリを作るよりは敷居が下がり、かつ多様性という見栄えの部分でも華やかで盛り上がる。アプリだけではなく、このように可視化をしたものを広く募集していく。オープンデータコミュニティとの連動性を図っていかれるといいのではないかと思います。

データで見る東京についてなんですけれども、こちらも可視化をメインに持ってきていますし、非常に良いものだと思います。何が良いかと申しますと、都民に身近な問題がこうしたデータ可視化で表れているということで、非常に客観的に状況を把握しやすいですし、都政に意識が向いてくるという効果があります。一方で扱っているものがゴミ処理や就業者だったり、テーマが散発的と言いますか、カテゴライズされていないのが少し惜しいと考えます。それをある程度テーマ・柱を立ててその中でバランスを見て作ってアップしていくようなことができれば、問題意識持っている方が来た時にその分野を特に重点的に深堀りできると考えます。
ビジュアルデザインについてなんですけれども、比較的操作が簡単なところが私一つ良いことだと思っています。一報でデザインの統一性という意味ですと、一つ一つのビジュアライズがバラバラだと感じます。そう言ったところをダッシュボードの実践ガイドブック、例えばデジタル庁さんが公開されたガイド、これが非常にいい資料だと思うのですが、こう言ったものを取り入れてみて作っていくというのもいい方法だと思います。ですので、ここについてはまず市民目線で使えるものを重要視しつつも、もっと深堀ってこのデータ分析してみたいなという方には実際CSVのデータをダウンロードするリンクをつけていただく、という二段構えが有効でしょう。
こう言ったオープンデータの海外のサイト、かなり参考になるところがたくさんありますので、一つだけご紹介しますと、ワシントンDCのオープンデータサイト、メニューがかなり豊富な構造になっているのですが。例えば先ほどのデータで見る東京のようなページになっておりまして、Educationというタイトルつけてありますが、ここにいろいろなテーマ別メニューというのがありまして、スクロールしていくとビジュアライズがありまして、例えば折れ線があるだけではなく、注釈情報・分析、ここで下がったのはコロナの影響ですよ、と。データの可視化だけではなく、注釈、ある程度の因果関係が掴めるような付加情報が出ている。あと、サマリーの情報ですね、このデータの出典などもきちんと載っているので、気まぐれでパッと見たときに、それなりに得るものがあって満足度もある。こういったところも取り入れるといいと考えます。

最後、私のこれは所感も含めての話になりますが、これからですね、どんどんコンテンツの充実ということで、データカタログサイトと名前がついていますので、データをカタログ的に紹介するというのがメインの目的かと思いますけれども、より利用者目線に立って、例えば先ほどのワシントンDCのサイト、観光名所・さくらがどこで見れますよといった可視化もあります。こうした海外からの旅行客向けのコンテンツなども視野に入れ、そういった、東京ですから、インバウンド向けのデータなども特集的に出すのも良いのではないかと。
あるいは、都市の比較と言いますか、公共政策に関する研究をされているような方にとっては、大きな都市というものはデータどうしを突き合わせて比較したりですとか、政策立案につなげる、そういった目線でも活用を促す特集を組んでも良いのかなと。
第三として、今の高校生、特に探求学習の取り組みをやられていると思います。行政の方でもやられていると思いますけれども、私この間、一橋と高大連携で都立国立高校に行ったのですが、身近な課題を客観的に探求し、研究していくということで、データ分析を取り入れている教育現場を見る機会がございました。その中でも、データを探しに行って、なかなかその目的のものが見つからない。それは本人たちのスキルもあるんですけれども、そうしたシーンを想定して探求学習向けのデータのコンテンツを作る、そう言ったところも今後必ずニーズが出てくると思っていて、こういったところに目を向けていただいて、サイトの作り方見せ方を検討されると良いのではないかと思います。
私の方からは以上になります。ありがとうございます。

司会(大迫データ利活用担当課長):

山辺さん、ありがとうございました。
オープンデータの取組と、カタログサイトに対するご提案をいただきました。
そうしましたら、ご出席の皆様、ご質問事項やご意見ございましたらお願いいたします。
区市町村の皆様におかれましてはTeamsのチャットの方でお願いいたします。
そうしましたら、齋藤さんお願いいたします。

齋藤様:

ウィルスゲノムの解析にすごい興味があって、僕自身も可視化をやりたいと思って、国立感染症研究所のデータを探していたのですけれど、なかなか見つからずに断念したというところがあったのですけれども、今日初めてオープンデータで公開されてるということを知りましたので、僕も挑戦したいと思いました。
可視化させるツールなんですけれど、NHKさんと共同で作ったというお話でしたが、どういうツールを使われているんですか?個人で使えるツールはあるんですか?

一橋大学・山辺様:

こういった可視化の手法自体、試験的なアルゴリズムの開発はJavaですとかJavaScriptではthree.jsとかそういったものでやっておりました。最終的な映像にするところはゲームエンジンのようなものを使ってですね、8Kで映像化したということもありまして、かなりレンダリングに特化したプラットフォームを使って作成をしております。

齋藤様:

なるほど、ありがとうございます。参考になりました。three.jsですね。

司会(大迫データ利活用担当課長):

他にご出席の皆様で何かご質問ございますか?
そうしましたら、Govtech 東京の川口さん、よろしければご意見頂戴できますでしょうか?

GovTech東京・川口様:

はい、Govtech 東京の川口と申します。よろしくお願いします。私は東京の政策連携団体なんですけれども、今、実際池田部長のチームと一緒に一体になって、いろいろ支援にあたらせていただいる立場になりますので、先ほどのカタログサイトに関するところのご指摘について、私も思うところがありましたのでそこについてコメントさせていただきます。
カタログサイトの利活用事例に掲載されているものがかなりこうアプリケーションに限定されているんじゃないかというところ、本当にその通りだなと思いました。実際アプリケーションやサービスっていうのは、実装に至るまでは当然いろんなフェーズがあって、今、目の前にあるデータを見て分析してそこからストーリーかけるかなっていう考察があって。そこに向けてデータを加工したり補充していったりした後に可視化して、さらにはいろんな機能つけてサービス化というところになってくるんですけれども。それぞれのフェーズ、全部一貫してできる人はそれで良いんですけれども、それぞれのところに得意な人、興味がある人がいるはずなので、そういった人たちがここまでやってみたんだけれどこの後引き継げる人どうですか?とか、あとは一緒にやらないか、とか、そういう交流できる場があってもいいのかなと思いました。そういったサービスに行くまでの手前の段階であっても何かこう発信したり共有する場ができてもいいのかなと思っています。
今の見せ方のところですけれど、擁護するわけではないんですが、現状だと応募に出していただいたものについて都が紹介する場という側面が強くなっているので、一種ある意味ですね、言い方変えると公平な掲載の仕方になっていて。一方で味気ないなというところは否定できないと痛感しました。実際先ほど冒頭にコミュニティといった部分もあったと思うんですけれども、そういう参加者の方々がアピールする場ですとか、交流する場のような今まで無いような新たな場をどう提供するのか、そのためにはどうやって出していったら良いのかというところは一緒になって検討していきたいなと思っております。ありがとうございます、ご意見いただきまして。
あともう一つデータで見る東京のところなんですが、散発的・継続的・テーマごとにバランスよくというご指摘あったと思うんですけれども、そのあたりって可視化の事例としてはもちろんそうだと思うんですけれども、そもそも掲載しているデータについてもそういう継続性みたいなものが欲しいなという意図もあるのかなと感じました。現状ですと行政が出しているオープンデータというのは、公開できる準備が整ったものを出しているっていうのが実態としてあるのかなと思っています。なので、どうしてもこう本当に一つの何か事例に特化してすごいストーリー性を持たせられるような継続した形でデータが出せているかというと、確かに課題があるなと思いました。そのあたりですね、そうは言っても出していこうとするとなかなかハードル高い部分もありますので、今あるデータ、とは言ってもたくさんデータありますので、何か違うデータでもテーマを決めたうえで、いろいろな角度から分析してみるとか、可視化してみる、とか、今を切り取った見せ方っていうほかにも時系列で推移を見せるような形ができないか、とか。そういった形で働きかけていけたらなと思っております。あとはそもそもデータオーダーするときにこういうデータ公開出来たらこういうストーリーかけるんだけど、というところも相談しながら働きかけていこうかなと思っています。今後そう言った観点で取り組んでいきたいと思っております。ありがとうございました。

司会(大迫データ利活用担当課長):

川口さん、ありがとうございました。
カタログサイトについて、我々が所管しており、川口さんにおっしゃって頂いた通りではあるんですけれども、まず利活用事例の方は本当に自由に・皆さんどうぞ載せたいものは是非ご連絡ください、という形にしており、公序良俗を乱す恐れがあるものだったりは載せない、という受け身で対応しているところがありますが、コミュニティで利活用事例の収集をしているので、今後そういうものを掲載していきたいと思っております。
もう一つ、データで見る東京ですけれども、こちらは内実を申し上げるとデジタルサービス局でオープンデータを担当しているデジ局の若手職員が、このデータを可視化したほうがいいんじゃないかというのを、年間十件程度見繕って、各局と調整しながらオープンデータ担当みんなで考えて載せているところではあるんですが、ご指摘のデータの継続性のあるものだったり、見る側の視点を考えて今後も掲載していきます。

次第の4、ディスカッションに移りたいと思います。

オープンデータに関する期待や課題と、オープンデータの利活用促進などについて伺いたいと思います。今日の全体の感想でも構いませんし、まだここが聞きたいというところでも結構ですので、お一人ずつ・一巡しかできないと思うんですが、まず齋藤さんお願いします。

齋藤様:

ありがとうございました。普段オープンデータを使う上で、ビジネスで使っていくというところが僕自身着眼点なかったので。今日初めて民間企業さんの伝え方の方を視聴させていただきまして、僕自身も何か出来ることはないかなと探していきたいと思いました。あと可視化させる上で見栄えって大事だなというのは改めて感じたところで。データの正確性っていうのはもちろんそうなんですけれども、まずはご覧いただく方々が興味を持ってもらうっていう、人は見た目9割みたいな言葉があったりしますけれども、本当可視化も見た目が9割といっても過言ではないなと再認識したので、あとの私のシビックテックの活動に活かしていきたいなと思います。ありがとうございました。

司会(大迫データ利活用担当課長):

ありがとうございました。
続いて馬上さんお願いいたします。

矢印株式会社・馬上様:

本日はありがとうございました。いろんな方からお話しいただきまして、東さんからお話ご丁寧に本当に恐縮しております。一番、我々民間から思うことは使いたいときに使えて、継続性のあるデータ、この2点です。シンプルです。これが担保されない限り、まったく興味がありません。いくら行政とは言え、リクエストベースでちょうだいという風に言って、結果的に得られないというケースもあるという前提であり全く相手にしません。スピード感が違いますので、そこら辺をしっかりですね、やはり行政の目的と民間の目的が交わる接点、是非この回を通して見つけられたなと切に願うところです。

司会(大迫データ利活用担当課長):

ありがとうございました。
では木代さん、お願いします。

矢印株式会社・木代様:

オープンデータに活用していくうえで、その活用が難しいと思っているところがあります。実際、データとしては見やすくなってはいるんですけれども、人間が見やすいだけで、ツールを使うときには使いづらい。適していない形だったり時が多くあるので、そういうところで分析した形で提供していただきないなと思っているとこです。以上です。

司会(大迫データ利活用担当課長):

ありがとうございました。
では山辺さん、お願いします。

一橋大学・山辺様:

オープンデータは非常に注目されている。一方実は、多くの方はデータが欲しいのではなく、情報が欲しいんです。データというのは数字の羅列でしかないので、これをですね、情報化するのは私は可視化だと思うんです。そうすると例えばデータの中で異常なところがどこなのかという関心が働きます。データをたくさん出すというのはもちろん、プラス加えてそこに、多少なりとも先ほども言ったデータの可視化にリソースを使っていただければと思います。データで見る東京は素晴らしい取組だと思います。データを出す側としてもですね、リストだけではなくて、こう情報化可視化して出すということも取り込めるとよろしいんじゃないかなと。以上でございます。

司会(大迫データ利活用担当課長):

ありがとうございます。
本日、三者様から我々デジタルサービス局への意見をいただいてまいりました。利用者視点でのオープンデータ化というところで、どうやって見せていくのかを考えながらオープンデータ化を進めていかなければならない、推進していかなければならないと改めて実感したところです。
それではここでデジタル庁東さんより本日のディスカッション踏まえてご意見ご感想をいただきたいと思います。東さんお願いいたします。

デジタル庁・東様:

ありがとうございます。
まず本日は産官学民と言っていいんでしょうか、いろんなセクターの皆様から建設的なお話をいただき、それに対して東京都様から真摯にご検討いただける姿を拝見して、素晴らしいなと思いました。運営にかかわった皆様、どうもお疲れ様でした。

今日は内容的には可視化の話が多かったかなと思いました。可視化と言えばやはり思い出すのは齋藤様も言及されていた東日本大震災です。計画停電を余儀なくされ、うちはいつ停電するんだと非常に切迫した状況があったとき、電力事業者さんが停電の情報をデータあるいはAPIで公表して、それをいろんな方がいろんな形で可視化し、それがTwitterで流れた、といったことがございました。個人的にはあの時に可視化ということの一般的な広がりを初めて目の当たりにし、強く印象に残っております。当時はコードをかける人たち、APIがわかる人たち、JavaScriptがいじれる人たちみたいな専門家が可視化してくださっているようなイメージが個人的にはありました。それから十数年たった現在、その可視化のツールはCSVを流し込めばすぐ可視化できるようなツールもたくさんできており、行政機関の皆さんがダッシュボードを公開する事例も増えてきているというところで、随分様相が変わってきたなという風に思いました。

なおかつ可視化すること自体でビジネスにつなげていらっしゃる、データを重ね合わせてこういった視点で見れば経営の強み弱みがわかるという、ビジネスにつながる可視化も実際やってらっしゃるところがあるという話を本日お聞きして、可視化という切り口一つをとって、いろんな広がりがすごく身近なものになってきた時代になっているのかなと感じました。データを生のままExcelで見ているだけではなかなか意味は浮かび上がってこないけれども、それがグラフになって意味が明らかになる。ある意味データリテラシーの入口のようなところが割りと身近になってきた時代にオープンデータが広がっていくというところは何等か意味がある状況になってきたのではないかと感じました。抽象的な感想ですが、私の感想としてはそんなところでした。
本日はありがとうございました。

司会(大迫データ利活用担当課長):

東さん、ありがとうございました。
それでは最後に池田さんより本日のラウンドテーブル全体を通してまとめの言葉、締めの言葉をいただければと思います。

池田部長:

本日は皆さま、どうもありがとうございました。いろんなご意見をいただいて、先ほど可視化の話もありましたけれども、ビジュアライズが非常に大事だというところで庁内でも議論になってまして。ハッカソンというプログラムの中でも今年度ビジュアル部門を作ったり。あとは「データで見る東京」もですね、Govtech 東京と連携しながら進めておりますので、本日の宿題をですね、しっかり我々の中で咀嚼して実際の実行に移していきたいと考えております。
本日はどうもありがとうございました。

司会(大迫データ利活用担当課長):

最後に事務連絡ですが、本日の事業者様とのヒアリングを通じ、オープンデータ化の要望があったデータを保有するデータ所管局には、該当データの公開を相談させていただく予定ですので、その際は皆さまご協力をいただけますと幸いです。
また、次回のラウンドテーブルは年明けを予定しております。
それでは本日はこれにて閉会とさせていただきます。大変貴重な議論をいただきまして、ありがとうございました。